T.O.
1995年 新卒入社
通信エンジニアリング事業部
通信技術部 施工管理
私はFEN設立の際に新卒一期生として入社しました。当時はちょうど高速インターネット回線が普及し始めた時代。大学では電子情報工学を専攻し、光ファイバーを用いた実験なども行っていたので、通信技術の発展には興味がありました。FENを知ったときも、新しい会社で先進的な通信工事に携われるのは面白そうだと思いましたね。それに大手と違って全国転勤などもなく、腰を据えてキャリアを築けそうな点も、私には魅力でした。
入社後、最初に担当したプロジェクトは高速道路の路肩や中央分離帯に20kmほどの光ファイバーケーブルを敷設する工事でした。安全対策のために交通規制をかけ、協力業者さんと一緒に工事を進めていくのですが、「高速道路を歩く」こと自体が人生初の体験。非日常的な環境にワクワクしたことをよく覚えています。
もちろん30年も前の話ですから、今とはさまざまな面で状況が違います。例えば、社員教育の仕組み。私より上の世代は「見て覚えろ」の職人気質な世界だったそうですが、私の世代から手取り足取り教えてもらえるようになり、今ではOJT研修が整備されています。また、若手の頃は出張先で夜通し作業することも日常的でしたが、現在は働き方改革が進んでおり、体力的にも助かっていますね。
最近は通信工事の中でも、無線通信補助設備の設計、施工管理を中心に手掛けています。この設備はビルの地下、トンネル、地下街など、Wi-Fiなどの電波が届かない場所の問題を解決するためのもの。あまり耳馴染みが無いかもしれませんが、実は火災や災害への対策として、一定以上の規模の建物には消防法で設置が義務付けられています。
例えば新築ビルの建築計画が立ち上がった場合、私はまず設計協力から参画。そしてプロジェクトの進捗に合わせて見積り作業、工事業者や製品の選定などを行い、建設工事が開始すると施工管理に取り組みます。ここで大切なのが積極的に現場に足を運ぶこと。現場では建設、内装、電気などさまざまな分野の業者が工事を行っているため、まるで生き物のように刻一刻と状況が変化していきます。その中で我々が施工できるタイミングは限られていますので、作業がない時でも頻繁に現場に赴き、関係者との調整や交渉がしやすい関係性を作っていくことが肝心なのです。
とはいえ、それでも思い通りにいかないこともしばしば。壁にぶつかった時に試行錯誤し、同僚や先輩からもアイデアをもらい、関係者との調整を重ねて何とか乗り越えていくプロセスは、この仕事ならではの難しさであり、面白さでもあります。30年以上経験を積んだ今でも、無事に工事が完了した時の充実感は他に代えがたいものがありますね。
FENならではのやりがいは他にもあります。特に若手時代から大きな裁量を与えてもらい、自分なりのチャレンジができることは大きな魅力です。もちろん新しい挑戦には失敗が付き物。私自身も20代の頃、大規模工事を任されながらも工事の遅延を重ねてしまったことがあります。しかし、上司は頭ごなしに怒ることなく、10班近い協力業者さんをかき集め、工事完了を徹底的にサポートしてくれました。当時の失敗経験は今も活きていますし、その後の成長に確実につながったと感じています。
今度は私が若手のチャレンジを応援する番。自分が身につけてきた技術や知識は積極的に伝えていきたいと思いますし、より効率的な業務環境の整備にも注力したいと思っています。実際、最近も施工管理を効率化するタブレットやシステムの導入を会社に提案し、実現したばかり。今後もさまざまな面で若手の成長と活躍を後押ししていくことが、私のこれからも目標です。
これから入社してくる方にも、「建設業って大変なこともあるけど、案外楽しいな」と感じてもらえたら嬉しいですね。特にFENは経験豊富な社員が多く、個性豊かで厳しくも優しい人たちが集まっています。電気通信主任技術者など、学生や未経験者のうちから取得できる資格もあるので、興味があればぜひ勉強してみてください。